「流流点点」隅田川
日程 / Date
2023.12.1
场所 / Place
黄檗宗 牛頭山 弘福寺(墨田区)
空間設計, 施工 / Spatial Design, Construction
勝又なつほ
調査 / Research
坂間菜未乃
映像 / Video
菊地翼
水源を辿るフィールドトップと茶宴をリンクさせたインスタレーション「流流点点(るるてんてん)」
初回として隅田川をフィーチャーしました。
すみだの土地を作った隅田川の源流を目指す旅は、すみだの源流を探すことにほかならないのかもしれない。
茶文化が仏教と共に中国から日本へと流入したルーツから着想し、会場は押上の弘福寺さんにて開催。
本展ではまず、茶宴の1ヶ月前からリサーチとして隅田川を水源に向かって遡上するフィールドトリップを実施した。
東京湾、浅草と見慣れた隅田川は北上すると荒川に合流し、埼玉から山梨へと繋がっている。
ポイントごとに現地の音と雑記を採集し、マップに落とし込んでいく。
1日かけて秩父の山奥に着いた頃には都会の灯りは消えて真っ暗で、そこで感じた暗闇と水の冷たさ、夜の冷え込みを感じた。
この感覚をステートメントのキーカラーとした。
2日目はさらに上流から、今度は下流に向かって戻っていき、隅田の街へと出る。
川を上って下ったことで、来た時とは街が違って見える。
後日。
この体験を、茶のメニューに落とし込んだ茶宴を企画する。
会場は、押上の弘福寺。
この寺は黄檗宗(おうばくしゅう)といって、江戸時代に明朝から伝わった宗派だ。
当時日本で主流だった抹茶に対し、中国から煎茶を広める役割も果たしたという。
茶文化はいつも、仏教と共に中国から日本へと流入している。
今回のテーマに合致する、この黄檗宗の禅寺に協力を依頼しました。
茶宴のメニューはリサーチから発想して構成する。
川を上る “遡上“ と、下りの “漫流“ の二部構成で、墨田区の水道水の白湯から始まり、下流・中流・上流のそれぞれのスポットにリンクした茶を隅田の水で煎れる。
じゃばら折のお品書きの形をとったフィールドノートに沿って進め、川を上って下ってくる追体験をする。
折り返し地点として最上流の湧水を白湯で飲み、フィールドトリップにリンクさせて今度は上流・中流・下流と来た道を帰っていく。今度は湧水で煎れていく。
「川を喫する」ことを感じられるように、会場の中心にスクリーンを貼ったキューブを設置し、フィールドトリップの際に撮影した各地点の映像を投影する。
キューブの中で茶を煎れ、参加者はその様子をキューブのスリットから見ることができる。
川の映像と茶の所作が混ざり合い、川から茶が出てくるかのように参加者には茶が配られ続ける。